自宅を朝5時に出れば、奥多摩駅に8時前に到着できる(と、Yahoo!路線に書いてあった)のだが、新宿でどの電車に乗れば良いのか何故か分からず、乗り損なった。先が思いやられるスタートだ。
で、結局AM 8:28 に奥多摩駅に到着。駅前でバスに乗り込む。
なんと、座れた! ラッキー!!
これで座れなかったら、30分以上立ちっ放しでいなくてはならなかった。まさに禍福はあざなえる縄の如し。
9:10頃に登山口の最寄のバス停である鴨沢バス停に到着。
ここから奥多摩小屋までは、2011年11月4日と同じルートを通る。
鴨沢のバス停から見た奥多摩湖は、うっすらと凍っていた。
トイレに行き、靴紐をしっかり締め、ゲイターを付けて、9:30出発。
ここから小袖までの30分の歩きが、何度来ても気分の乗らない道だ。
何といっても、タクシーで来ていれば小袖まで歩かずに行けちゃうのだ。数千円をケチって、この30分の地味にキツい上り坂を歩くのは、やっぱり憂鬱な気分になる。
とはいえ、ちょっと高い場所から見る奥多摩湖もオツなものだ。
そんな30分を過ごすと、相変わらず地味な登山口が現れる。
ちょうど下りてきた人がいたので、道の状況を聞くと、七ツ石の手前ぐらいまではアイゼン無しでもなんとか行けるのではないか、とのこと。
もちろん、アイゼンの着脱のタイミングは自分で見計らうのだが、一つの参考にさせてもらうことにする。
歩き出すとすぐにチラホラと凍結箇所が現れる。
だが、滑って危険というほどではないし、むしろアイゼンを着けたときの歩きにくさのほうが余程問題に感じられるので、滑りそうなところを避けながら歩を進める。
実際、堂所ぐらいまでは↓のような様子の道がほとんどで、
凍っている場所でも↓のような程度。
僕が東北出身だからかもしれないが、この程度の雪や氷で転倒する気がしないので、アイゼンは着けづに黙々と登る。
11:20 堂所到着。
ここから先は、雪と土が半々といった感じになる。
20分後、2万5000分の1の地図でないと分からないヘアピンカーブに至る。
と、その向こうに続く、紛らわしい地形。道じゃないので、迷い込んじゃダメダメ。
このヘアピンカーブを曲がって再び鋭角に折り返すその先端部分がちょうど南に面していて陽射しが暖かいので、昼食にすることにする。
ちなみにここまで、モンベルのアンダーウェアにマウンテンハードウェアの「エフュージョンパワージャケット」を着ただけの軽装で歩いてきたが、さすがに停滞すると寒気がする。
手元の温度計では気温2℃。
ミレーの「デュアルソフトシェルジャケット」とアウトドアリサーチの「フーリオジャケット」を羽織るも、やや汗冷えしてしまったようで、非常に寒い。
15分ほどの停滞の後、フーリオジャケットだけ脱いで出発。
少し歩くと、やっと体が温まってきて寒さを感じなくなる。
そこから10分もしないうちに、登山道の凍結がひどくなってきた。
七ツ石小屋の近道入り口ぐらいまではアイゼン無しで行けるかと思っていたが、ギブアップして6本爪アイゼンを装着。
思ったとおり、土の露出がかなり少なくなってきたので、アイゼンが面白いように効く。
12:30 七ツ石小屋への近道入り口到着。
例によって、七ツ石小屋経由で行くのはシンドイし、あまり魅力も感じないので、巻く。
巻き道の入り口は道がやや細いので少し心もとない。
そのすぐ先には、小さな枯れた沢を渡る小さな橋がある。
この橋をちょうど渡ろうとしたとき、この枯れた沢から、パラパラと小石が幾つか転がってきた。落石だ。
冬はどうしても落石が多くなるので、こういった場所には気を付けなくてはならない。
橋を渡ると、そこからは比較的日当たりの悪い道になるため、登山道の雪もしっかり残っていた。
サクッ、サクッっという足裏に伝わる感触が気持ちいい。
またすぐに、落石注意の枯れた沢を通る。
登山道もやや崩落しかかっているので、足元に充分に注意を払いながらすばやく通過する。
ここからしばらくは西側の展望が開けるので、ヨモギ尾根を眺めながら、雪を踏みしめて歩く。
13:20、ようやくブナ坂に到着。
普段ならここから先、雲取山に至る石尾根が眺望も良くメインディッシュなのだが、今回は不安が1点。それは、日当たりの良い登山道の雪が解けてぐちゃぐちゃになってるんじゃないかということ。
その不安は的中。
登山道はぐちゃぐちゃ。朝ならこれが凍結してカチカチなんだろうが、今はまさに昼下がり。天気も良く、直射日光当たりまくりだ。そりゃ、ぐちゃぐちゃにならないはずがない。
名物の「セクシーな木」のあたりの道も、もはやドロドロである。
こんな状態がしばらく続く。
さらに残念なことに、こんなに天気が良いのに、富士山だけが見えない。
雲がピンポイントでかかってしまって、富士山を隠してしまっている。
このパターンは、2011年12月23日にダイヤモンド富士を見に行ったときと同じじゃないか。残念すぎる。
進行方向左斜め前方には南アルプスが見えていたが、遠すぎてiPhoneの再現力ではパッとしない写真になってしまった。
↓
奥多摩小屋の手前のヘリポートのあたりは、少しだけ雪が残っていたけど、これまたぐちゃぐちゃ。
ここまで来ると、いよいよ雲取山の山頂が見えてくる。
写真中央が雲取山のピーク。避難小屋も見える。
14:00、奥多摩小屋到着。
テント場にはポツポツとテントが張られていた。
この日の天気なら、風も全然無いし、ここでテント泊するのも快適なんだろうなーと思う。暖かいシュラフさえあればだが。
2011年11月4日に僕がテントを張った場所。
やっぱり快適そう。すっかり乾いてるし。
さて、ここらへんは、もはや道もドロドロだのぐちゃぐちゃだのを通り越して、すっかり乾いている。
アイゼンをつけたままあるくのは色んな意味でしんどい。
というわけで、雪が残っている巻き道を通って小ピークをひとつ回避する。
思ったとおり、快適な雪道。締まっていて非常に歩きやすい。
サクサクとした感触を楽しみながら歩いていると、すぐにまたもとの尾根道に合流し、またすぐに分岐する。
その分岐。↓
右に行くと富田新道。富田仙人が切り開いた道だ。
左に行くと小雲取山を経て雲取山山頂へ。
当然、山頂へ。
ここから先の道は、雪に覆われていないところのほうが少なくなってくる。
だいぶ歩きやすくて助かる。
そのまま小雲取山の山頂へ。
小雲取山山頂の分岐標識。
ここから先は雪が途切れることなく登山道に残っていた。
小雲取山から先は、小ピークを一つ越えるだけで雲取山山頂だ。
この道標のすぐ先を右折すると、もうそこには間近に雲取山山頂が見える。
その小ピーク手前にある分岐。右に行くと、雲取山山頂を経由せずに雲取山荘に行ける夢の道だ。
だが、今はそもそも通る人が少ないので、トレースが貧弱で歩きにくい。
それはそれでそそるのだが、山頂を踏まないわけにもいかないので、左に向かう。
小ピークに向かう道は、モナカ状態の積雪。しっかりと雪が残っている。
やっと冬山に来た感じだ。
そんな気分を盛り上げてくれる、とっても小さな雪庇を発見。
その雪庇のすぐ先には最後の小ピーク。
その小ピーク越しに見る、雲取山避難小屋。
ついに山頂直下の急登に取り付く。
この急登を登りきると、避難小屋の脇に出る。が、ここが頂上ではない。
実は小屋の裏手に回って初めて頂上に出ることができるのだ。
つまり、上の写真で見えているのは偽ピークというわけだ。
で、その避難小屋。↓
これが、小さいながらもそのへんのボロい営業小屋なんかよりも立派な代物で、ここを宿泊所としてアテにする登山者も多い。
もちろん、本来的には"避難"小屋なので、避難以外での利用は遠慮すべきなのだが。
避難小屋に併設されているトイレ。
ソーラーパネルも付いている。おそらく東京で最も標高の高いトイレだろう。
そのトイレの横を通過して、15:25、ついに雲取山山頂に至る。
雲取山荘に16時には着いておきたいので、あまりここでのんびりもできない。寒いし。
というわけで、早々に雲取山荘に向けて反対側に下山開始。
これまで登ってきた斜面は概ね南側の斜面なので、気温も高く、雪も解けやすい。
これに対して、今から下りる場所は北側の斜面なので日が当たらず、雪は解け残り、水は凍りやすい。
もう、アイゼンを着けていても緊張するようなコンディションだ。
もはや雪じゃなく氷の道だ。
こちら側は東京都ではなく埼玉県だったりするためか、道の感じ石尾根とは全然異なる。
一応道をガイドするためのロープが張ってある。
16:00、雲取山荘到着。
計ったようにスケジュールどおりの到着!
中に入ると、カウンターには新井信太郎さん。
そして、六平直政にちょっとだけ似ているお調子者のおっちゃんも、相変わらず今日も張り切って客をさばいている。なんだかここだけ時間が止まっているようだ。
晩ゴハンは18時から。
毎度おなじみのハンバーグだ。
ゴハンはおかわり自由なので、食えるだけ食う。
食うだけ食ったら、あとは寝床にもぐりこんで本を読み、眠気が来るのを待つばかり。
山の夜は早い。
(つづく)
0 件のコメント:
コメントを投稿