このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。

2013年3月30日土曜日

山行記 : 2013年3月23~24日 赤岳鉱泉 アイスキャンディを目指して 2日目



(この記事は「1日目その2 赤岳鉱泉の夜」編の続きです。)


朝は5時半から食事。
宿泊客みんなが食事を取るには、食堂に一斉には入りきれないので、早く並んだ人から順に食堂に通されることになっている。
10分前に食堂に上がってみたら、すでに長蛇の列だった。すごいな。。。

なんとか5時半の会に入ることができ、食べ始める。が、睡眠不足もあって食欲は無い。
その横で後輩は、さっき起きたばかりなのにゴハンをお替りしている。これが若さというものかと、旋律が走る。

宿泊客たちは、昨晩の夕食の際にはいつまでも食堂でダラダラしていたのに、この朝食ではみんな掻き込むように食べてさっさと席をたった。
やっぱり出発を急いでいるのだろう。


さて、こちらは受付でアイスキャンディの受付をおこなう。
体験講習ならば、

  • アイゼン
  • ハーネス
  • アイスバイル
  • ヘルメット
  • ザイル
を全部貸してくれる。
さらに、小屋の人がビレイまでやってくれる。至れり尽せりだ。
ただし、体験講習で貸してくれるアイゼンは横爪タイプなので、僕は自前のアイゼンを使用することにした。

なお、普通にアイスキャンディを利用する場合には、ハーネスとザイルは貸出していないとのこと。

体験講習参加者は8時半に小屋の受付前に集合。
それまでの間、お茶を飲みながら時間を潰していたのだが、なぜか後輩は、お茶の代わりにご飯とお味噌汁を持ってきて食い始めた。さっき食べた分だけでは足りなかったようだ。恐るべし。


8:30、受付前に集合し、レンタル用品が渡された後にアイスキャンディー前へ向かう。
参加者は僕らを含めて8名。

人工氷瀑とはいえ、あこがれのアイスクライミング初体験である。
空も凄まじく青く、気温も微温。絶好のアイスクライミング日和だ。


基本的な動作を教えてもらい、いざ開始。
僕はボルダリング歴は5年以上だし、リードクライミングもジムではやったことがあるので、それほど苦労もなく取り掛かれた。

貸してくれるアイスバイルは、下の画像にあるシモンとペツルの他に、重くてエグいグリベルのもあった。
下の写真で僕が使用しているのが、そのグリベル。
もちろん、我々体験講習組は難易度の低い場所でやっているので、最初の課題は余裕でクリア。

僕のアイゼンは縦走用のヤツなので、前爪が短くて少々刺さりにくかったものの、氷の状態がとても良かった(脆くもなく、固くもなく)ので、何とかなった。

8名で2組に分かれて、順番にトライする。
非常に楽しい。
ジムでやるリードクライミングなんかと比べ物にならないぐらい楽しい。こんなことならもっと早くやっときゃ良かった。

3~4本やったところで、より難易度の高い場所にサイルを張ってもらえたので、喜んで挑戦する。

途中まではサクサクと登れたが、
ここから先がなかなかあがれない。
もたもたしているうちに、腕が完全にパンプして終わってしまった。
無念のギブアップ。
次のシーズンまでちゃんとクライミングの練習をして力をつけておこうと心に誓った。

ビレイしてくれた小屋の人からは、
「センスあるから、今後ちゃんとやったほうがいいですよ」
と言ってもらえた。お世辞だとは分かっていても、嬉しいものだ。
非常に親切に指導していただき、楽しく体験することができた。

11時半過ぎに体験講習は終わり。
小屋の前の温度計を見たら、日影にもかかわらず8℃。完全にゴールデンウィークの気候だ・・・。


さあ、アイスクライミングを終えたら、さっさと下山だ。
もう昼食の時間ではあるが、昼ごはんは下界のある飲食店に行きたいと思っていたので下山を優先するのだ。。
その飲食店とは、仙人小屋。山梨県北斗市の山中にあるジビエ料理の店だ。
ラストオーダーが15時なので、ちょっとギリギリな感じだ。

さくさく下山する。
どんどん下山する。
登山道の雪は、だいぶ腐り始めていた。


美濃戸山荘の手前でアイゼンを外す。

美濃戸山荘からは赤岳が望めた。

13時半、美濃戸口に到着。

さっさと車に乗り込み、仙人小屋に向かう。

なんとか15時直前に滑り込むように入店。

鹿焼肉定食を注文。
出てきた肉を見てビックリ。
なんという脂身!
恐る恐る口に運ぶと・・・・




美味い!!!


なんと力強い肉なんだろう!
昨夜の牛肉の脂とはまったく違う。
なんと芳醇な脂身だろうか。

また、きのこ汁も凄まじく美味い。
なんたることだ。食べる喜びとはこういうことであったのか。

たいへんな充足感を得て、そのまま最寄りの日帰り温泉によって帰宅。

(完)

2013年3月29日金曜日

山行記 : 2013年3月23~24日 赤岳鉱泉 アイスキャンディを目指して 1日目その2 赤岳鉱泉の夜



(この記事は、1日目の続きです。)


中山展望台から赤岳鉱泉に戻ると、間もなく夕飯の時刻となった。

通された席は食堂の奥、テラスのような場所。
椅子がとてもファンキーだった。

メニューはこんな感じ。

相変わらずのステーキの存在感。

夕飯後、そのまま寝床へ。
19時には、後輩は隣で寝息を立てていた。なんという健康優良児!

僕の方は年のせいか、サシの入った牛肉を食べると胃もたれをするようになっており、全然寝付けないどころか、うつ伏せになって本を読む気にもならない。

そうこうするうち、消灯時刻になった。
やっぱり寝付けない。
次第に後輩の寝相が悪くなってきて、頭突きやパンチが飛んでくるようになった。
そういえば、コイツは2年前の雲取山荘で隣になったときもこうだったなー、と思い出された。
致し方ないので、小さくなってやり過ごす。

その後もウツラウツラしては目が覚めるというのを繰り返し、気付けば朝の5時になっていた。


(「2日目」につづく)



2013年3月28日木曜日

山行記 : 2013年3月23~24日 赤岳鉱泉 アイスキャンディを目指して 1日目

会社の後輩と共に、赤岳鉱泉の人工氷瀑「アイスキャンディ」にアイスクライミングをやりに行ってみた。


アイスクライミングというと、ジムでのクライミングしか経験のない僕にはいささかハードルが高いのだが、赤岳鉱泉では初心者向け体験講習もあるので、僕のような未経験者でも手を出すことができる。


ということで、今回はレンタカーで美濃戸登山口まで移動。

9:50、美濃戸口の八ヶ岳山荘に到着。

ここの駐車場にレンタカーをとめて、先を目指す。
駐車場代は1泊2日で1,000円。

準備をして、10:07、いよいよ出発。

林道は、それなりに雪が融け残っていて、場所によってはカチカチの氷になっている。
やはり、車を美濃戸口に駐車したのは正しい判断だった。僕らが乗ってきた日産マーチでは、確実に立ち往生してしまっただろう。
とはいえ、林道歩きはやはり退屈だし、地味に上り坂なのでウンザリする。
そんな僕らを横目に何台も四駆の車が林道を登っていくのだが、そんな車の1台が僕らの脇に止まり、
「乗ってくか?」
と声をかけてくれた。

神は居た!!

ありがたく同乗させていただく。
聞けば、その車の主は先週もこの辺りに来ていて、今回は赤岳主峰を登るとのこと。いかにもベテランといった感じだ。

赤岳山荘の駐車場まで乗せていただき、その先はまたトボトボと歩き始める。

10:45、美濃戸山荘に到着。

ここで、先行する高校山岳部風の10人程度の団体に出会う。
引率2名、その他高校生といった感じだ。
僕が高校生の頃は冬山登山は禁止されていたものだが、最近はOKなのだろうか。もちろん、山岳部によっては昔からの伝統で冬山登山をするところもあるようだが。

ここでアイゼンを装着した。
ところどころで地面が露出していたものの、カッチカチの氷に覆われている部分もあり、ここでアイゼンを付けたのは正解だった。
このところの陽気で、融けたり固まったりを繰り返しているのだろう。
おかげでアイゼンがよく効く。

雪の残り方は、まるでゴールデンウィークのように少ない。

これ、赤岳鉱泉に着いてみたら「アイスキャンディ融けちゃいました」みたいなことになってないだろうな・・・。
嫌が応にも不安が増す。

11:44、堰に到着。

ここから先は、関係者の車も入ることはできない。
いよいよ登山道の始まりだ。

登山道沿いの積雪も、ほんの少しずつだが増していく。

標高を上げるごとに赤味を増していく北沢の川床。

木道はすっかり露出して、アイゼンでズタズタになっていた。

12:16、大同心が遠くに姿を現した。

それにしても、赤岳鉱泉までこんなに遠かったっけ?
寝不足が祟って、ペースが全然上がらない。

12:36、横岳も見えてきた。
ここまで来れば、もうすぐ赤岳鉱泉に着くはず。

12:45、立入禁止の看板の向こうに、

ついにアイスキャンディの威容が姿を現す。

回り込むと、数人のクライマーが登っていた。
これに明日挑戦するわけだ。ドキドキする。まさに初夜の気分だ。

赤岳鉱泉で宿泊手続きをおこない、いったん荷物を下ろす。
僕たちは大広間に通されたのだが、この日は見事に満員のようで、布団がずらりと並べられていた。
とはいえ、1人1畳程度の空間は確保されており、寝るのに困るということではなさそうだ。
それでも、小屋泊初心者である連れの後輩は、
「マジっすか。これしかスペース無いんすか。」
と驚いていた。
後輩よ、これでもマシなほうだぞ。

荷物を置いたら、小屋の前にあるテーブルで昼食タイム。
アイスキャンディが見える場所に陣取って、鍋料理を開始した。
メニューは寄せ鍋。

材料は以下のとおり。

  • 市販の寄せ鍋スープ
  • 鳥もも肉 400g
  • 白菜などのカット野菜 3~4人分
  • 冷凍の海鮮ミックス(むきエビ、イカ、なんかの貝など)
  • 長ネギ 2本
  • うどん 3玉
後輩が腹ペコ野郎なので、2人なのにこのボリューム。

なので、このためにわざわざ24cm径の深底のフライパンを担いできた。普通のクッカーじゃ、この量は入らない。

ストーブは寒いところでも安定した火力を維持できるアルコールストーブ。

五徳は、普段使っている小さなものでは24cm径(しかもハンドル付き)に対応できないので、VARGOのアルミニウムウィンドスクリーンを無理やり風防兼五徳として使用。
華奢なので、フライパンの重さに耐えられるか不安だったが、慎重に使ってなんとか無事故で切り抜けた。もちろん、使用後には歪んでいたが。

で、ここで気が付いた。
フライパンだからフタが無い。
いくらこの時期にしては暖かいとはいえ、外気は5℃ぐらい。フタが無いと、煮立たせるためのエネルギーロスも大きい。果たして、持参した300mlのアルコールで事足りるのだろうか。

不安を抱えながら、着火。
寄せ鍋スープが煮立つのをじっと待つ。


・・・・・・・・・。


やっぱり、なかなか煮立たない。
うーむ。。。

しばらくして、フライパンの底にじわじわと気泡が現れてきた時点で、しびれを切らして鶏肉を投下。

その後もしばらく待つ。

全然煮立たない。
本当に食えるようになるのだろうか。

不安でいてもたってもいられなくなった後輩から、白菜などの野菜をブチ込んでフタ代わりにするという提案がなされる。
あまりフタにはならないような気もしたが、特に代案も無いので、それに従う。
僕は以前から、この年若い後輩に強く押されると、つい従ってしまうのだ。
きっと、槍ヶ岳の北鎌尾根で遭難死した加藤文太郎もそういうタイプだったに違いない。

で、結果、

寄せ鍋には見えなくなる。
ビジュアル的には間違いなく寄せ鍋以外の何かにしか見えない。

だが、しばらくすると、だんだん美味そうになってきた。

鶏肉に火が通ったようなので、食べてみる。

むむ、美味い!
予想に反して見事に美味である。
どうやら、加藤文太郎にはならなくて済んだようだ。

そのあとは、アイスクライミングの準備に勤しむベテランたちを尻目に、2人でひたすら食い続けた。
後輩の視線の先にはアイスキャンディ。僕の視線の先には大同心。なかなかのシチュエーションでの寄せ鍋だ。

あらかた食べた後に、締めのうどんをブチ込む。

ちょっと味が薄いような気がしたので、塩を少し加えてみる。
すると、


うん、ジャスティス!


これぞ大正義である。
先程まで曇天模様だった空が、なぜか青空に変わっていくというオマケまでついてきた。
陽光が心地よい。

そうして、うどん3玉を食い終わってみたら、燃料のアルコールはほぼ使い切った状態になっていた。
まさにギリギリセーフ。

食べ終わると、満腹になった後輩が眠いと言い出すも、それでも中山展望台には行きたいと強く主張するので、手早く後片付けをして中山展望台を目指す。

15時頃、出発。
行動予定は1時間半。
赤岳も見える。

出発してすぐの雪には落書きが。
こういうこと書くヤツはどこにでも居るんだなぁ。。。
きっと自己表現の仕方を知らないのだろう。

昨年9月に訪れた際にシカに出会った場所。

その先には、なにかの動物の足跡が。
蹄の跡じゃなさそうだから、ウサギかなぁ。

15:26、視界が開けて大同心と横岳が見えた。
空が青い。
今年に入って、泊まりがけの山行ではいつも吹雪だったので、こんなに青空だとどうすればいいのか分からなくなる。

15:35、中山展望台直下の分岐から見た大同心。
全体的にもうほとんど雪は無く、大同心に至っては全く雪が見当たらない。
本当にゴールデンウィークのようだ。

15:48、中山展望台に到着。
昨年9月の写真と見比べると、1mぐらいは積雪が残っている感じだ。

中山展望台は、2,300mちょっとの標高にもかかわらず「展望台」の名前がついているだけあって、非常にすばらしい眺めが堪能できる。

阿弥陀岳。

赤岳と中岳。

横岳。

大同心。

大同心と硫黄岳。

遠くには南アルプスも。

赤岳の手前には、行者小屋が見える。テントも何張か見受けられる。(写真ではちょっと分かりづらいかもしれないが、真ん中に行者小屋が写っている。)

地蔵ノ頭からのハシゴがあるであろう辺りも、ほとんど雪が消えていて、これなら容易に行き来できそうだなーと。

いつまでも見飽きないこの景色を、ただただ堪能し続けていたら、横岳から月が登った。
なんかもう、フルコースだな。

いつまでもこの景色を眺めていたいが、夕飯の時刻が17:30からなので、ぼちぼち来た道を引き返して赤岳鉱泉に引き返す。
後ろ髪引かれまくりだが、致し方ない。


(「1日目その2 赤岳鉱泉の夜」編につづく)




2013年3月21日木曜日

鏑木毅 『アルプスを超えろ! 激走100マイル 世界一過酷なトレイルラン』

鏑木さんと言えば、日本のトレイルランナーで知らない人は居ない第一人者だ。

その鏑木さんが100マイルレースに掛ける思いを綴ったのが『アルプスを超えろ! 激走100マイル 世界一過酷なトレイルラン』だ。

すでに鏑木さんには何冊かの著書があるが、本書は100マイルレース、特にUTMBとUTMFに対する熱い思いで満たされている。

怪我との戦い、UTMF立ち上げの苦労話などから垣間見える鏑木さんのトレイルラン道ともいえる執念と誠実さは、とても僕のようなしょっぱい人間には真似することも叶わない。しかし、それでも強く心を打たれるものがあるわけで、ましてや、真摯にトレイルランに励んでいる方々は、鏑木さんの背中を見て刻苦鍛錬しているのだ。


さて、僕はトレイルランに関してはウンコ同然の最下層なわけだが、それでも、山ヤとして本書に乗っかって声を大にして言いたいことがある。

それは、本書の161~163ページにかけて力説されている、安全に対する配慮についてだ。
そこでは、山での身の安全は自らで確保しなくてはならず、そのための装備を欠かさずに持参することの大切さが語られている。

曰く、UTMFの第一回の時のことを振り返り、

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初の開催ということもあり、「装備チェックリスト」を公開すると、事務局にはランナーからの問い合わせが相次ぎました。どれも、「あれはだめなんでしょうか」「これだとだめですか」という言い方です。その聞き方こそ、いかにしてルールをすり抜けて荷物を軽くするか、に他なりません。そして彼らの言葉には、どこか自分が使うというリアル感が欠けていたのです。

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と述べられている。

そうなんです。
トレイルランナーの中には、山を舐めてるとしか思えないような軽装で走っている人たちがたくさんいるのだ。

最近も、あるランニング同好会のような人たちから、日の出山~御岳山を往復するという企画に誘われたのだが、その主催者からのメールに記載されていた装備リストには、エマージェンシーグッズは一切含まれていなかったし、雨具に至っては「雨が降ったら中止にするので、雨具は要りません」と明記されていた。

行動中に急に雨が降ることだってあり得ることだし、足をくじくなどの怪我だって付き物なのに、それについての考慮が一切されていないことに腹が立ち、僕は同行をお断りした。

もともと登山をしていた人ならば、ここまで山のリスクに対して鈍くない人が多いのだろうが、ロードからトレイルランに転向した人のなかには、極端にリスク感覚の鈍い人が多い。

ロードであれば、水でも食料でもコンビニですぐに手に入るし、疲れれば公共交通機関を使って帰宅すればいい。怪我などすれば、すぐにタクシーにでも救急車にでも乗れるのだ。

だが、山ではそんなわけにはいかない。どんなに大怪我をしても、自力で下山するか、救助を待たなければならない。
それは、観光客の多い高尾山や御岳山でも、一歩トレイルに入れば同じことだ。

あなたは、徒歩で1時間の山道を、骨折した足で下山できますか?
もしくは、走ることに特化した薄着のままで停滞して、救助が来るのを1時間とか2時間とか待てますか?

下界と山ではトラブルシューティングの在り方が全く違うのだということを、しっかり認識して山に入るべきだと強く思うし、強く訴えずにはいられないのである。

山行記 : 2013年3月17日 高尾~陣馬 往復トレイルラン

1週間前、花粉や土埃でどうしようもない高尾山行だったわけだが、登山道の様子からすると泥濘などももう無くなっていることが確認できた。

ということで、高尾~陣馬をトレイルランで往復するトレーニングに出かけた。
この日は快晴なだけでなく、都心の予想最高気温が16℃という非常に快適な気候だ。
ただ、花粉はひどいだろうから、鼻炎の薬を飲んで出発した。

8:55、京王線高尾山口駅前を出発。
まずは稲荷山コースから高尾山頂を目指す。

稲荷山コースは最初から稲荷山まで登り一辺倒で、あまりなだらかでもない。
先週とは違い、人もそこそこ多い。

9:16、稲荷山に到着。
稲荷山からは都心方面が見渡せる。

先週は全然見渡せないぐらいにけむっていたが、今日は通常の春霞程度。この時期、この気温にしては十分にクリアな方だろう。
これらな、高尾山頂からの景色も期待できそうだ。

すぐまた走りはじめる。
高尾山頂へ向かう見慣れた登山道を走る。

9:37、高尾山頂の展望台に到着。
久しぶりに富士山も見える。

山頂は、やはりそこそこ人がいる。
ここはあくまで通過点なので、先を急ぐ。

高尾山の西側斜面を下りるとすぐにもみじ台だ。

本日は素通り。
景色も、高尾山の展望台からとあまり変わらない。

9:59、一丁平に到着。

ここからの景色も、基本的にあまり変わらない。

さらに先を急いで、城山に向かう。

10:11、城山に到着。

城山のお花畑も、1週間前よりさらに花が開いていた。


城山ではトイレに立ち寄る。
城山のトイレが綺麗になって以降、はじめて利用した。
ちなみに、男子トイレの「大」の方には、トイレットペーパーは備えられていなかったのでご注意。

そしてそのまま小仏峠に向かう。

ここまでのトレイルは、1週間前と違ってちょうど良い湿り具合。2、3日前に雨が降ったようなので、そのおかげだろう。

10:24、小仏峠の広場に到着。

小仏峠の広場では、今日も登山詳細図世話人さんが地図を売っていた。
この地図は、僕のブログでも話題としてたびたび取り上げさせてもらっているのだが、そのような記事の文章を、詳細図が月刊誌で紹介された記事で引用してくれていたので、ひとことご挨拶をして、また先を急ぐ。

本日もたぬきの置物は健在。

ここからは、景信山に向かって標高差約180mを一気に登る。

景信山の山頂手前に、杉が伐採されて見晴らしの良い場所がある。

10:43、景信山の青木茶屋側に到着。
相変わらず、茶屋の中からは怒鳴り声が聞こえる・・・。

その茶屋の横の階段を上がると、景信茶屋の前に出る。

景信茶屋からは、関東平野が一望できる。

景信茶屋の裏には山頂の標識。

ここから一気に駆け下りる。

11:01、分岐が現れる。
左は巻き道。右は尾根道。
当然尾根道に進む。
気持ちの良い尾根道だ。

11:05、またもや巻き道と尾根道の分岐。
迷わず尾根道へ。エンドルフィン出まくり。
さっきよりももっと気持ちの良い尾根道を走る。

さらにその先でもまた巻き道と尾根道の分岐が現れ、それも余裕で尾根道を選んだら、今度はひどい急登が現れた。

そう、ここはハンパな小ピークではなく、堂所山への登りなのだ。

尾根道を選んだのを後悔しながら、吐きそうになる。
頭の中で、「これを味わいに来たんだろ!」という鏑木毅さんの声(想像)がコダマする。(cf.「RUN or DIE」)
こんな程度でヘバっていたのでは、今年のトレラン大会のエントリーが思いやられる・・・。

11:16、堂所山手前の分岐に到着。

ここから80mほどで堂所山の山頂らしいが、通り道ではないので放置して先を急ぐ。

11:29、明王峠が見えてきた。

明王峠の売店は営業中。(あんまりそうは見えないかもしれないけれど。)

売店の裏には不動明王が祀られている。

ここはベンチもたくさんあるので20人程度の人が休憩していたが、そのうちの初老の男性3人が道標を見ながら、「陣馬」なのか「陣場」なのかで議論していた。
地図だとだいたい「陣馬」だけどなぁ。

再び走り出し、11:57、最後の分岐である栃尾分岐に至る。

残念ながら往路で3時間を切ることができなかったが、ここまでくればあともう少し。
最後の登りを終えれば、
そこは陣馬山の山頂。
11:59到着。

清水茶屋。

富士見茶屋。

信玄茶屋。

奥多摩の山々もよく見える。

ここで、空腹に耐えかねて、清水茶屋でおでんを注文し、持参したおにぎりと共にいただく。

これがめちゃくちゃ美味い。

ところで、おにぎりを背負って走るのは、なんとなくトレランっぽくないような気もするが、なんせ僕のこの日の装備はinov8の16リットルパックがパンパンになるほどの荷物。
雨具やヘッドライトやエマージェンシーグッズはもちろん、下山後の着替えや電車の中で読む本まで入っている。そんな大荷物で走っているトレイルランナーはあまり見かけないが、レースじゃないのだから、これぐらい負荷をかけたほうがいいんじゃないかとも思う。


腹を満たし人心地がついたところで、12:15、来た道を折り返す。
復路は、巻けるところはできるだけ巻くという方針に切り替える。

けっこうスタミナが切れてしまい、景信茶屋でなめこ汁を、一丁平のベンチでは持参したクリームパンを食べて回復を図る。
その甲斐あって、稲荷山コースに差し掛かる頃にはなんとか回復。どうにか走って下ることができた。

15:07、稲荷山コースの登山口に到着。

ここから高尾山口駅まではアスファルトをダッシュ。
15:09、無事、駅に到着。
昼飯の時間を抜けば、なんとか6時間を切ってのゴールだ。


我ながら、不甲斐ないタイムではあるが、冬の間のトレーニング不足を考えればこんなもんかなとも思う。
5月中には、同じコースをあと1時間早く走れるようにしたいと思う。


(完)