このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。

2013年6月2日日曜日

山行記 : 2013年5月26日 丹沢・大山

前日とはまた別な同僚と、今度は丹沢の大山に。
初心者向けのコース設定ということで、大山ケーブルカーで阿夫利神社下社まで登り、そこから山頂を目指す。

実は、僕にとっても大山は初めて。
中途半端にアプローチが悪く、どうせ日帰り登山に行くなら奥多摩に向かってしまう僕としては、丹沢はやや面倒な印象のある山域なのだ。


小田急線伊勢原駅で下車し、大山ケーブル行きのバス停に向かうと、そこには長蛇の列。
天気がパッとしない中、これだけの人が並んでいるとは。
人気の山だとは聞いていたが、ここまでとは思っていなかった。不覚。

並び始めてから15分、3台目のバスにやっと乗り込んで大山ケーブルを目指す。

大山ケーブルバス停に着いたのは、10時過ぎ。
出発がそもそも遅い時刻だったので、ここまでは概ね予定通りの進捗だ。

大山ケーブルバス停から、ケーブルカーの大山ケーブル駅までは15分ほど歩く、と「山と高原地図」には書いてあった。
いさ歩いてみると、これがなかなかの道だった。

まず、しょっぱなからなかなかの勾配。

ここから、道はお土産物店が立ち並ぶ、階段状の路地へと続く。
あいにくの曇天模様で陰鬱とした風景だが、直射日光の炎天下に歩くよりは100倍マシだ。

店の無い場所はひたすら階段。
気温の高さと荷物の重さが相まって、この時点ですでに汗ダク。
そう、僕は日帰り登山だというのに、グレゴリーのトリコニ60を荷物でパンパンに膨らませて担いでいたのだ。
中身は調理道具と食料がほとんど。せっかく初心者を連れてきたので、ランチを振舞おうと頑張ってしまった結果である。

歩荷トレーニングのような足取りで歩くこと20分、やっと大山ケーブル駅に到着。
ここでもやはり長蛇の列。
でも、乗ってしまえば、終点の阿夫利神社駅まで所要時間6分。こんなに楽をしてしまって良いのだろうか。

10:50頃、阿夫利神社下社の階段下に到着。
売店の呼び込みがアグレッシブすぎて、思わず目を背けてしまった。

ここから、元々の予定では表参道から山頂を目指し、山頂でランチにするつもりだったのだが、人の多さにビビって予定変更。
山頂で場所を確保できなかったら目も当てられないので、いきなり見晴台に向かい、そこでランチにすることにした。

そんなわけで、売店の横をすり抜けて見晴台へのルートに入る。
急にトレイルになっていてちょっと面食らった。

10:58、二重滝に至る。
そのすぐ横には二重神社が。

そのまま先に向かうと、かなり力の入った「熊注意」の看板が。
そういえば、不覚にもクマ避けスプレーを忘れてしまった。一応クマ鈴は装着して歩く。
とはいえ、さすがにこれだけ人間の気配がある状況では、なかなかクマも現れまい。この状況で現れるクマはヤバいクマなので、出会ったら無傷では帰れまい。

11:17、見晴台に到着。山頂は雲の中のように見える。
すでにすごい混みよう。
かろうじて空いていた、最も見晴らしの悪いテーブルに陣取り、ランチの準備を開始する。

なお、この見晴台については、昭文社「はじめる山歩き 丹沢」という初心者向けの地図には、
「山あるきに満足した明るい笑い声が響く」
という、非常に叙情的な解説が付けられている場所なのだが、我々はまだ、山を歩き始めて20分しか経っていないのである。

ここで、今回のランチについて解説したい。
写真を撮り忘れたのが非常に痛いのだが、以下のようなセットリストだった。


<ストーブ>
「SOTO マイクロレギュレータストーブ」と「エバニュー アルコールストーブ」の2個使い。

<クッカー>
・スーパーで500円で買った、テフロン加工の26cm径の家庭用フライパン
・スノーピーク 「チタントレックコンボ

<メニュー>
・バケットにいろいろな具材を乗せて食べましょう。
海鮮風味のトマトスープ


<レシピ1 バケットにいろいろな具材>
スライスしたバケットをフライパンで焼いて、その上にお好みの具材を乗せます。
具材は、
  • スパム。さらにお好みで、バジルソースを適量乗せる。
  • 生のトマトを輪切りに(潰れないように、ジップロックのコンテナに入れて持参)。さらにお好みで、バジルソースを適量乗せる。
  • ツナマヨ。お好みで、ポケトーチで表面を炙る。

4人分のパンとスパムを焼くには、登山用の小さなフライパンでは力不足。26cm径のフライパンが大活躍だった。重かったけど。

<レシピ2 海鮮風味のトマトスープ>

レトルトの「海鮮風味のトマトスープ」を使用。
水を300ml加え、ひと煮立ちしたところに溶き卵を流し込むだけのスープなのだが、これがまた、なかなかどうして、大変美味しい。
卵はコフランのエッグホルダーに入れて持参。



締めにコーヒーを飲んで完了。
たっぷり1時間かけてランチを食べたら、山頂に向けて出発。
比較的なんの変哲もない杉林のトレイルと歩く。

すると、若木を囲うフェンスを発見。

こういったフェンスが方々に張られている。
このあたりは鹿の食害の激しい場所なので、保護しているのだろう。

そして、ダラダラダラダラ、キツい登りがひたすら続く。
特に、トレイルが階段状になっているのがツライ。
しかも、ものすごく混んでいる。すれ違うのも大変。

そんなこんなで、コースタイムでは40分のところ1時間かかってやっと、唐沢峠方面への分岐に到着。

ここで、すれ違った若者が僕のトリコニ60を見て、
「あ、グレゴリーだ。あこがれのグレゴリーだ。」
と、羨ましそうに言った。(あるいは、からかっていただけかもしれない。)
そういえば2010年7月の金峰山登山の帰りに日帰り温泉に寄った際も、風呂から上がってみたら、脱衣場に置いておいた僕のトリコニ60を男性3人が取り囲んで
「カッコええなー、やっぱりいいなー、グレゴリー」
と話していたのを思い出した。
その時は、街角でカッコイイ単車を見たときのような彼らの反応に驚いたものだが、やっぱりグレゴリーの大型ザックはみんな好きなのかもしれない。
僕も、ミステリーランチを背負っている人を見たら、そういう目で見てしまうかもしれない。

閑話休題。

それにしても、やたら混んでいる。
混みすぎて、すれ違いのためにいったいどれだけ待つんだ、というぐらい。

ここから先、地図を見る限りいくらか斜面は緩やかになるような。。。
と思っていたら、13:24、「大山の肩」の標識に出くわす。
このあたりは、山頂手前に、稜線がたしかに肩のように張り出している場所。
このあたりは非常になだらかになっている。

肩の先は、首を登るかのような急登が一瞬あって、13:34、山頂直下の広場に到着。
ものすごく混んでいる。
やっぱり見晴台でランチを済ませておいて正解だった。

ここは東側の展望が開けているのだが、この日はずっと曇天模様。
が、一瞬だけ雲が切れて、隙間から下界が見えた。

この広場にトイレがあるので、ここでトイレ休憩。
その後、いよいよ山頂に。

13:50、山頂到着。
山頂には奥の院が立っている。

なんでいきなり奥の院なんだ?と思ったが、考えてみれば、表参道から来ればここは阿夫利神社よりも奥にあるんだよね。我々がバックドアから来ちゃっただけで。

というわけで、順序が逆になったが阿夫利神社へ。

なんだか民家のような雰囲気だが、山頂の吹きさらしに賽銭箱を出しっぱなしにしておくわけにもいかないのだろう。

もちろんお参りする。
「ここまで無事に来れました。ありがとうございます」
と。

残念ながら富士山は雲の中。
雲しか見えない。

阿夫利神社の隣には売店が。
売店の店頭には謎の招き猫が置かれていた。

ここから表参道を下る。
表参道の入口(?)周辺には鹿が数頭、草を食んでいた。

かなり近くまで寄っても逃げない。
草食動物としてタルみ切っておる。けしからん。
登山者たちの黄色い声援を受けて、ミッキーマ○スにでもなったつもりか!

そんな鹿どもを尻目に、表参道を下る。

14:19、ヤビツ峠との分岐に至る。

このあたりから次第にガスが濃くなる。
その7分後に通過した、下社まで1.6kmの標識では、もうすっかりガスが周囲を包んでいた。
たぶん雲なんだと思うのだが、ずいぶん低い位置を漂ってるなー、という印象。

このガスのためか、湿度が異常に高く、登山道が湿って滑りやすい状態になっていた。
表参道はけっこう急で、しかも石が敷き詰められているところが多く、濡れるとすさまじく滑る。とても怖い。

自分だけなら、滑るとは言ってもさくさく下りるのだが、連れがガチンコの初心者のため、できるだけゆっくり、焦らせないように気をつけながら一歩一歩踏みしめるように歩く。

14:40、蓑毛方面への分岐に至る。

この分岐には、十六丁目追分の碑が建てられている。

14:43、「天狗の鼻突き穴」と呼ばれる穴のあいた大岩が現れる。


岩に空いた穴が、天狗が鼻で突いて開けたと言われる穴のようだ。
だとしたら、天狗デケーな。

15:01、夫婦杉が現れる。
連れの一人が、
「夫婦という割には2本じゃなくて、片側に3本あるな。愛人OKという啓示ですね」
と言い出した。なんとバチ当たりな。

15:13、開けた場所に石碑が建っていた。

同じ広場にあった案内板には「白山神社」と書いてあった。

さて、ここから先は、いよいよ阿夫利神社下社に向かう石段となる。
この石段がまた、やたらと急だ。
単に急なだけでなく、手すりが腐食しているという恐怖。
決して体重をかけてはいけないのだ。

この恐怖の石段を降り、15:18、ついに阿夫利神社下社に到着。

もちろん、お参りする。
「全員無事下山できました。ありがとうございました。」

ここの狛犬はちょっと変わっていて、岩を登っている。

さて、ここまで来れば、ほぼ下界。
下社から石段を降りる。
石段の上からは、雲の下に下界が遠くまで見渡せた。


あとはケーブルカーで降りるだけ。
大山ケーブルのバス停まで降り、タクシーで鶴巻温泉へ。
そして、風呂上がりに生ビールをぐっと飲んで帰る。


正直、あまり魅力を感じる山ではなかったなぁ。。。



なお、この山行で感じたのは、グレゴリーのトリコニ60の優秀さ。
最近ホグロフスのマトリックス70ばかり使って、トリコニとは随分ご無沙汰していたのだが、改めてその背負いやすさを痛感した。なにせ、翌日行きつけのマッサージ屋に行った際に、
「荷物背負った割に、肩甲骨まわりの筋肉の状態がいいですよ」
と言われたほど。
やっぱりグレゴリーはええなぁ、と再確認した次第だ。


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